北海道の52河川でニホンウナギの生息が確認されたという報告は、単なる珍事ではなく、生態系の変化を示す重要なデータである。
ウナギは本来、温暖な地域の河川で成長する魚だが、今回の調査では「水温が高い川ほど個体数が多い」という傾向が見られた。
温暖化による水温上昇、海流の変化、河川環境の改善——
複数の要因が重なり、北限域の生態が静かに書き換えられつつある。
一方、アユもまた回遊魚であり、春に遡上し、秋に産卵して一生を終える。
清流を好み、石についた藻類を食べ、縄張りを持つ。ウナギとは生態も生活リズムも異なるが、両者が同じ川に存在しうる条件は、意外にも重なっている。
北海道ではアユの放流が進み、寒冷地でも安定した漁獲が得られるようになってきた。
つまり、ウナギとアユが同じ川に姿を見せる未来は、決して空想ではなく、科学的に説明可能な現実の延長線上にある。ウナギは絶滅危惧IB類に指定されており、北海道での確認は「生息域の北限」である可能性が高い。個体数はまだ少なく、安定的な定着とは言えないが、
この“わずかな兆し”こそが、環境変動の影響を読み解く鍵になる。
アユは水質の良さを示す指標魚でもある。ウナギは水温の変化に敏感だ。
両者が同じ川にいるということは、「温かく、かつ清らかな川」という、
ある意味で理想的?な環境の証明でもある。
自然は、間違いなく人間よりも早く未来を語る。
ウナギとアユが同じ川で出会う日は、すでに始まっているのかも。。。
※記事は朝日新聞より

