長良川の天然アユと岐阜県魚苗センターのアユ

岐阜県魚苗センターで育つアユは、スーパーアユ!
DHAやEPA等(n-3系脂肪酸)は青魚とほぼ同じ、一般的な養殖アユの2.5倍が含まれています。
DHA等の成分は、脳の機能を活性し、認知症や動脈硬化の予防に効果があることが様々な研究機関で証明されています。

岐阜県のアユは日本の宝

 アユは中国大陸の一部と日本列島にのみ生息する淡水魚で、食材としての歴史は奈良時代まで遡り、岐阜県は内陸県ということもあり、貴重なタンパク源として、珍重されてきました。現在でも30近いアユの漁業組合があることが、同県のアユ事業の規模を物語っています。

清流・長良川の鵜飼

 鵜飼は、1300年続く日本の古代漁法として、皇室保護のもと「御料鵜飼」として今日まで引き継がれています。皇室と鵜飼の歴史は古く、7世紀の律令時代にはすでに鵜匠が、宮廷の官吏として漁をしていました。鵜飼は、江戸時代には尾張徳川家の手厚い保護も受け、その後、明治時代に入ると宮内省(当時)は、鵜匠に職員の身分を与え、長良川に3つの御料場(皇室の漁場)を設置しました。今でもその伝統は、国内外の観光客はもとより、大勢の駐日外国大使が鑑賞する風物詩として、脈々と受け継がれています。

世界農業遺産に認定

 近年の河川環境問題や気候変動は、アユの生態にも影響が出始めました。岐阜県では、一早く環境保護の取り組みを始め、その成果は2015年世界農業遺産の認定につながりました。アユの保護については、岐阜県魚苗センターがその活動の中核となり、丈夫で血統の優れた稚魚の生産と放流の安定供給に尽力するとともに、一般消費者への供給も始まり、食育の観点からも、全国でも有数のアユ品質を誇っています。

岐阜県魚苗センターの「アユ」はここがすごい!

①飼育方法

 岐阜県の養殖アユの生産は全国で最も早くから行われ、養殖規模もさることながら、その養殖技術の進歩も著しいと言えます。その第一の特徴は、初期飼料は、自然界の動物プランクトン(シオミズツボワムシ)を与え、孵化直後の飼育水は自然界と同様の16℃程に維持した海水を用いる等、アユの生活史(秋に産卵・孵化した仔魚は川を下り、海洋で冬を過ごし、翌春、川を遡上する)をセンター内で再現しているということです。

その他、飼育方法の詳細については、別掲「良質のアユを生産するための取組」「岐阜県魚苗センターの特徴①②③」に詳しく記載しています。

②青魚以上のDHAやEPA

 アユは年魚(一年で一生を終える)とか香魚(香り(かぐわ)しい)とも呼ばれ、とりわけ夏季には多くの人々に好まれています。香りの由来については諸説あり、味に関しても人の好みがあり複雑ですが、美味しいアユは、育った川の水質や底生藻類の生育状況を含めた環境によることには異論は無いようです。岐阜県魚苗センターで育ったアユを口にした人の評価は一様に高いですが、それは飼育方法に依ると考えられます。そこで、センターのアユを客観的に評価したいと考え、日本食品分析センターに分析を試みた結果、驚きのデータを得ることが出来ました。

 世間では、健康志向の高まりから、新聞や雑誌、テレビを通じてしばしば「n-3系」「n-6系」という脂肪酸の名前を耳にしますが、これらは脳神経の形成に重要な働きをする多価不飽和脂肪酸で、青魚の代名詞であるDHAやEPAは「n-3系」、ナッツなどには「n-6系」が含まれています。

 分析の結果、岐阜県魚苗センターのアユの「n-3系」「n-6系」の含量は、サンマ、イワシ、サバ等の青魚に勝るとも劣らないことが証明され、さらに、長良川産のアユよりも顕著に多く、一般的な養殖アユに比べても2倍以上も多いことが分かりました。

 「n-3系」「n-6系」は、人の体内で形成されず、食物から摂取する必要があることは、「食育」の定番学習ですが、それらをバランスよく摂取することは脳の発達にも大きく関係します。母親の摂取は、妊娠中の胎児にも供給されるので、それは重大な役割です。「n-3系」「n-6系」の不足は、幼少期の神経線維やシナプス機構(学習と記憶)の形成や情動行動にも影響を与え、さらに成人になってもその影響は続くと考えられます。逆に「n-3系」「n-6系」の摂取は、血中の中性脂肪を下げ、不整脈や動脈硬化の予防に関わるので、中高年になれば積極的に摂取に心がけたいものです。

岐阜県魚苗センターのアユは「5つの良し」

このように、岐阜県魚苗センターのアユは「姿良し」「味良し」そして「栄養良し」です。さらに、最新の管理技術が確立されていることから「安全良し」であり、近年の気候変動や環境問題、新型ウイルスといった、自然的及び人為的要因による供給量の不安定要素の懸念がなく、国産100%の「安心良し」なのです。